9月 4, 2017

Hi!Toilet(バリアフリー屋外トイレ)の開発まで④

ちょっと怒りました。『心のバリアフリー』はどこに????
第1回のワークショップは、午前中に開催し、当社の地元の三軒茶屋の会議室を借りて行いました。ワークショップ後のランチで皆で懇親をしたいと考え、三軒茶屋で皆が入るお店を探しました。これが大変でした。

車いすの方は お店に入るまで、お店の中の段差を確認します。インターネットがこれだけ普及しているのにお店には実際に行ってみないと分かりません。”車いす”というと多くの方が手動車いすを思い浮かべ、お店に電話すると「段差があっても店員で抱えるから大丈夫です」との回答があります。

しかし、電動車いすは100㎏を超えるものも多く、抱えるのも無理、精密機械ですし、おしりに敷くクッションも褥瘡(じょくそう)を嫌い各個人が専用のものを使用しています。このような状況が認識が広がっていないのです。

車いすが入れそうな店は何とか数件ピックアップできたのですが、次の課題が盲導犬の方でした。

あるお店に聞くと『うちはペットだめなんで』とあっさり断られる。盲導犬はペットでありません。盲導犬はペットではありません。訓練されていてとても利口で自分からは吠えないですし、トイレも決まった時間にするのです。法律的にもお店や駅、ホテルなどどこに行くのも許されているのです。

次の店に聞くと、そこは上場企業のレストランです。店長が電話に出てこれまた『うちはペットお断りです』との回答。余りにも怒りが込み上げてきたのでその企業のお客様相談室に電話して、『貴社の店舗は盲導犬は入れないんですか?』と聞くと責任者から電話があり、『申し訳ありません。どこの店舗ですか?』『三軒茶屋です』『今すぐ店長に伝えるのでぜひ使ってください』と言われましたが、『結構です』とこちらから断りました。というのは、プロジェクトに参加して頂いている盲導犬総合支援センターの方が『いろいろあっても気持ちよく受け入れてくれる店がいいですね。』とのお話もあったので、一から探しました。

選択肢が少なくなるか中、ダメ元で店に入った※メキシカン料理店の店員のお兄さんたちが快く受け入れてくれました。(こんな言い方すると失礼かもしれませんがイメージは渋谷のセンター街にいっぱいいるようなしかも、ちょっと尖った感じの服装のお兄さんたちでした。)人は見かけによらない。大手企業で立派な格好でも『心はバリアありー』見かけはどうでも『心のバリアフリー』がある方がいる。

今回のこの件で、2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、町のバリアフリーが進んでも日本の 『心のバリアフリー』はまだまだだと感じ、Hi!Toiletの開発に強い決意とモチベーションになった事件でした。

公益財団法人日本盲導犬協会 「盲導犬について」

http://www.moudouken.net/knowledge/

※2019年9月時点でこのメキシカン料理店は閉店しています。ご案内したかったので残念です。

⇒その⑤に続く

本開発プログラムは、一社) 人間生活工学研究センターに試験内容を評価頂き、人間工学実験倫理審査の承認を受け、承認を受けたプロトコルに従って実施しました。使用している当事者の画像はご本人の承諾を受け使用しています。